英語の「訛り」、韓国と中国で話される英語の発音の特徴

英語にも、地域や国による発音の訛りがあります。東アジアで日本の近隣に位置する中国や韓国は、日本よりも英語を上手に話す人が多い国といえますが、そこで話される英語にはやはり当地ならではの訛りが見られます。

英語の訛りは実際どこの国にもあるものです。英語の発音を学ぶ上では、正しい発音を目指して練習するべきではありますが、日本語くさい発音だからといって尻込みする必要はありません。英語の訛りに関する知識は、物怖じしなくてよいという自信をもたらしてくれます。

韓国における英語の訛りの特徴・傾向

韓国では英語が韓国語(ハングル)の影響を受けた訛りが加わっています。主立った特徴だけでもいくつか挙げられます。

語末に母音を付け足して発音する

韓国で話される英語には語末に(母音がない場合にも)母音を付け足して発音する傾向が見られます。これは日本人の英語の発音にも見られやすい傾向といえるでしょう。

たとえば、present の名詞としての発音は /ˈprɛz(ə)nt/ であり、語末の t は子音のみ発音する言い方が本来的ですが、韓国的英語訛りだと t が「ト」(to)に近い母音を含んだような発音になりがちです。「プレゼントォ」のように強調されているような音に聞こえる場合もあります。

長母音(二重母音)を短母音として発音する

韓国で話される英語には母音を短くして発音する傾向もあります。

たとえば water は、長母音が短母音として発音されやすい単語の典型といえます。英語の本来的な発音( /ˈwɔːtə/ )を「ウォーター」と表記するとすれば、韓国訛りの英語は「ウォッタッ」と言っているように聞こえる場合がままあります。つまり wa の部分の長音を除いて短く切って発音しているわけです。

water と同様、route (ルート)も「ルット」のように発音されたりします。

/v/ と /f/ を /b/ あるいは /p/ の音で代替する

韓国語には /v/ と /f/ といった唇を震わせる音がないため、韓国訛りの英語は /v/ と /f/ を苦手としています。そのため、/v/ と /f/ は /b/ と /p/ の音で代替されてしまう場合が多々あります。

たとえば figure(/ˈfɪɡə/)は、f の音が /p/ で置き換えられて「ピギュア」のように発音されたりします。vase や forest のような語も同様です。場合によっては元の語がピンとこない場合もあり得そうです。

英単語のどの音節も強調して発音する

英語は単語内の音節に強弱アクセントを付けて表現しますが、韓国の訛りでは音節ごとのアクセントがほぼ無く、すべての音節に強勢がついているかのような発音で話される傾向があります。

たとえば advertisement は ad・ver・tise・ment と4音節に分けられ、先頭の ad に第一強勢を置いて発音されますが、韓国の訛りでは4つの音節すべてに強勢が置いたような均等な発音になることがあります。

中国で話される英語の訛りの特徴

中国人が話す英語は Chinglish(チングリッシュ)と通称されます。Chinese English の略です。もちろん中国語の影響を受け棚まりです。

中国語は発音の種類が豊富なので、日本人の話す英語のような舌足らずな感じにはなりにくいものの、中国語のクセのようなものが独特の調子を醸します。

語末に母音を付け足して発音する

中国語訛りの入った英語では、日本や韓国で話される英語と同様に英単語の語末に母音を付け足される傾向があります。first なら「ファーストオォ」というように発音される場合がままあります。

/θ/ を /s/ か /z/ に置き換える

英語で th と綴られて /θ/ と発音する部分が、Chinglish では /s/ あるいは /z/ の音で代替されることがあります。think が sink と同じ音に聞こえたり、thank が sank と同じ音に聞こえたりします。

/v/ を /w/ に置き換える

/v/ の音が /w/ に置き換えられる傾向も Chinglish の特徴です。実は中国語には /v/ の音がありません。

/v/ を含む英単語は、たとえば love や five といった語は、しばしば v が抜けて「ラウ」「ファイウ」という風に発音されます。very も「ウェリー」のような音になったりします。

/ʊ/ の発音が変わる

中国式の英語では /ʊ/ の発音を口先を前に突き出して音を強めて発音される傾向にあります。そのため標準的な英語の発音とは一致しない場合が多々あります。

たとえば book(/bʊk/)や look(/lʊk/)といった語の /ʊ/ の音は、標準的な英語の発音では促音の「ウッ」に近い発音ですが、中国式英語では「ウー」に近い発音になりがちです。

book も look も語末が子音のみの語なので、母音が付け足されがちです。結果、book は「ブーカァ」、look は「ルーカァ」のような音になったりします。

もっとも、こうした特徴はあくまで傾向としてあり得るという程度のものであり、全員が全員こういう話し方をするというわけではありません。