多くの音節を含む英単語の発音のコツ

英語のアクセントは、英単語中の特定の音節を強く発音する表現方法です。アクセントをしっかりつけて発音すると、英語が伝わりやすくなります。

多くの音節を含む英単語の発音において、アクセントが置かれていない音節の発音にも注意を払う必要があります。

アクセントが置かれていない音節を意図的に弱く短く発音すると、全体としてメリハリのある英語に聞こえます。アクセントのない音節の音自体を一部省略する場合もあります。

音節とは

音節(おんせつ)は英単語における「音のまとまり」を指します。英単語を発音の観点で分割した場合の最小単位ともいえます。

基本的に、各音節は母音を中心に構成されています。たいていの場合、音節は母音に複数個の子音を伴って作られます。

各英単語の音節は、辞書に英単語の発音記号と共に掲載されています。発音記号上では、基本的に音節の分かれ目は「・」や「.」などの「音節境界」を用いて示されます。

多くの英単語は1音節か2音節から構成されます。たとえば一般動詞の have(/həv/)や go(/ɡoʊ/)は1音節の英単語です。

have はアルファベットの綴りでは「a」と「e」を含み、音節が2つあると思われがちですが、実際、have は1音節から成ります。

textbook は発音記号で /ˈtekst.bʊk/ と表記されます。「.」が音節の分かれ目を示し、第一音節が「text」第二音節が「book」とわかります。

日本語と英語の音節は必ずしも一致しない

日本語と英語の音節は必ずしも一致せず、音節の考え方には違いが見受けられます。日本語における音節は「拍」と呼ばれています。

たとえば英単語 super は発音記号で /ˈsuː.pɚ/ と表記されます。日本語カタカナとしてよく知られている super(スーパー)は、日本語の音節(拍)では4拍の言葉として認識されます。

しかし、英語の super は発音記号を見ると2音節の英単語です。英語の super は日本語の「スーパー」より少ない音の数で発音されるとわかります。

基本的に、英語と日本語とでは単語の音節が異なるので、日本語とは別物として、辞書で確認するなどして音節による音の区分を覚えるとよいでしょう。

アクセントとは

アクセントは特定の音節を他の音節より強く、はっきりと発音する表現ルールです。アクセントは強勢、ストレスとも呼ばれています。

一般に、英単語ごとに音の強弱をつける表現ルールは「アクセント」と呼ばれている一方で、文全体に音の強弱や抑揚をつけるのは「イントネーション」と呼ばれています。

英単語にアクセントがあると会話にリズムが生まれ、聞き取られやすい英語に聞こえます。アクセントをつけず英単語を発音してしまうと、会話が単調に聞こえ、伝わりづらいといわれています。

アクセントが置かれていない音節をあえて小さく弱く発声することで、アクセントが置かれている音節がよりはっきりと強調されて聞こえます。

各英単語のアクセントは、音節と同じように、辞書で確認できます。アクセントは、発音記号上では「ˈ」といった記号で表記されます。

たとえば、student は発音記号で /ˈstuː.dənt/ と表記されます。student の音節は「stu」と「dent」とに分けられます。/ˈstuː.dənt/ を見ると、第一音節「stu」にアクセントが置かれているとわかります。

多くの音節を含む英単語の発音のコツ

特に4つ以上の音節から構成される英単語を発音する際は、アクセントが置かれている音節だけではなく、それ以外の音節にも注意しなければなりません。

複数の音節を含む英単語においては、アクセントが置かれている音節を最も強調して、はっきりと発音しましょう。適切な音節でアクセントをつけて話すと、より英語らしい言葉に聞こえます。

その一方で、アクセントが置かれていない音節は弱く、小さく発音されます。アクセントが置かれていない音節の発音自体が一部省略される場合があります。

underestimate を発音する場合

underestimate は主に「過小評価する」「少なく見積もる」を意味する動詞です。発音記号では /ˌʌn.dɚˈes.tə.meɪt/ と表記されます。

underestimate は5つの音節によって構成され、真ん中の音節にアクセントが置かれているとわかります。

したがって、underestimate を音節とアクセントの有無を基準に分けると under-es-timate と表記できます。

underestimate を発音する際には、アクセントが置かれている音節 esを強く、はっきりと発音します。アクセントが置かれていない under と timate は弱く、小さく発音されます。

「~の下に」を意味する英単語としての under は発音記号で /ˈʌn.dɚ/ と表記され、本来は2つの音節をもちます。ただ、underestimate を発音する際、under を1音節の英単語のように発音します。

under を意図的に単調に、短く発音することがコツです。underestimate の under は日本語の「アンダー」というより「ァダー」のように聞こえます。

underestimate の timate もアクセントが置かれていないので、弱く発音されます。underestimate の timate は発音記号で /tə.meɪt/ と表記され、2つの音節で構成された部分とわかります。

underestimate の timate を発音する際は、1音節の部分のように発音します。timate は日本語で「ティメイト」ではなく「ティメイ」のような音として発声されます。

inevitable を発音する場合

inevitable は「避けられない」「当然の」などと訳される英単語です。発音記号は /ˌɪnˈev.ə.t̬ə.bəl/ と表記されます。inevitable は5つの音節を含み、最初から2番目の音節にアクセントが置かれています。

なお、「ˈ」は第一ストレスと呼ばれ、「ˌ」は第二ストレスと呼ばれています。第二ストレスは第一ストレスの次に強く発音することを示す記号です。

inevitable を音節とアクセントの観点で分けると in-ev-itable と表記されます。アクセントが置かれている ev は最も強く、はっきりと発音されます。第二ストレスが置かれている in はやや強く発音されます。

それに対して、アクセントが置かれていない inevitable の itable は弱く発音されます。inevitable の itable を発音する際は、意図的に小さく、単調に発声するとよいでしょう。

多くの音節を含む英単語の例

英単語の中には、多くの音節から構成される英単語があります。英単語の音節とアクセントの性質を踏まえて、適切な発音ができるように練習しましょう。

英単語の発音練習をする際には、英単語中の強調して発音される部分とそうでない部分とに分けて、繰り返し発声することが、音節とアクセントの感覚を掴む近道といわれています。

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