英語の work と walk は、どちらも基礎的な単語で、発音を正しく区別する(言い分ける)ことの難しい組み合わせです。しっかりと聞き分け・言い分けられるようになりましょう。
聞き分けるポイントは /ɚ/ と /ɔ/ の音
発音記号上は work は /wˈɚːk/ 、walk は /wˈɔːk/ と表記されます。つまり、 /ɚ/ と /ɔ/ の発音がカギを握ります。
/ɚ/ は schwa(シュワー)記号で、いわゆる曖昧母音に区分される発音です。文字通り曖昧な発音をする母音で、日本語には該当する発音はもちろんありません。
/ɔ/ は open-o(オープンO)と呼ばれる記号で、アルファベットの「o」が部分的に欠けた形です。発音も o が半ば開いたような音です。
/ɚ/ と /ɔ/ の発音は、それぞれ、舌や口の使い方がコツといえます。コツを理解できれば、言い分け・聞き分けができるようになります。
/ɚ/ と /ɔ/ の舌の使い方の違い
/ɚ/ と /ɔ/ の音では、舌の使い方が異なります。work と発音する場合は舌を引き、宙に浮くようにします。walk と発音する場合の舌はリラックスさせて、下の前歯に触れるか触れないかの位置に止めておきます。
work の舌の使い方
work の o の発音 /ɚ/ は /r/ の発音と非常によく似ています。 /ɚ/ を発音する場合は、舌を口の奥に軽く引くようにします。その時、舌先は口内の何にも触れないように置きます。
walk の舌の使い方
walk の a の発音 /ɔ/ は舌をわずかに上向きにします。舌先は下の前歯にかすかに触れるか触れないかの位置に止めておきます。/ɚ/ と異なり、/ɔ/ の発音では舌をリラックスさせます。
/ɚ/ と /ɔ/ の口角の形の違い
/ɚ/ と /ɔ/ の音では、口角の使い方が微妙に異なります。work と発音する場合、口はやや閉じ気味で、walk と発音する場合は口を丸く開けます。
work の口角の形
work の o の発音 /ɚ/ は口角の使い方において、非常に /r/ の発音と似ています。/ɚ/ は口をややすぼめて発音されます。ただし、/ɔ/ と異なり、/ɚ/ は口を大きく開けません。日本語における「ア」と「オ」の中間のような音を発声します。
walk の口角の形
walk の a の発音 /ɔ/ は /o/ の発音の口の使い方に似ています。/ɚ/ よりも /ɔ/ は口を丸く開けて発音されることがポイントです。日本語でいう「オー」に近い音を出すことを意識しましょう。
正しい音を体に染みつかせる
work は bird(/bˈɚːd/)、walk は talk(/tˈɔːk/)とそれぞれ発音が似ています。そのため、繰り返し発音して、正しい発音を体に染みつかせるやり方もアリでしょう。
- bird-bird-work
- talk-talk-walk
「woke」との発音の違いもまとめて覚えましょう
work と walk の違いを学ぶついでに、似た発音の woke も比較して覚えてしまいましょう。
woke は一般動詞 wake の過去形です。これも発音が紛らわしい音です。
woke は発音記号で /wəʊk/ と表されます。/əʊ/ は口を丸く開けてからすぼめて発音されます。/ɚ/ と /ɔ/ と違い、/əʊ/ は日本語の「オウ」に近い音といえます。
/əʊ/ の音は、soul /sˈəʊl/ や although /ɔːlðˈəʊ/ にも含まれます。聞き比べて違いを把握すると、work と walk の聞き分けにも一役買うでしょう。