英語の語尾につく「-sion」の発音のコツ

英語の接尾辞に「-sion」には、/ʃən/ と /ʒən/ の、2通りの発音の仕方があります。微妙な違いではありますが、違いを把握して言い分けられるようになりましょう。

英語の接尾辞「-sion」の概要

-sion という語形の接尾辞は、基本的には、「動詞を名詞化する語形」を示す接尾辞と捉えられます。動作・行動を抽象名詞として示すわけです。

-sion のつく英単語の例としては decision 、discussion 、conclusion などが挙げられます。それぞれ、decide 、discuss 、conclude といった動詞が先行しており、接尾辞 -sion によって名詞化された語と解釈できます。ちなみに、この法則を持つ語はラテン語由来の語に多く見られます。

-sion と同じく動詞を抽象名詞化する語としては -tion も挙げられます。

「-sion」の発音のコツ

英語の接尾辞 -sion は、 /ʃən/ と発音する場合と、 /ʒən/ と発音する場合とがあります。

/ʃ/ と /ʒ/ の発音はよく似ていますが、音の「性質」が微妙に違います。ざっくり言えば音の清濁の差があります。

/ʃ/ の発音の特徴

/ʃ/ は「無声音」に該当する発音です。無声音は「喉の振動を伴わずに発声される音」です。喉を駆使せず、口から空気を出す際の音で表現します。

無声音は喉の奥や声帯というより、口先や唇で調音される音です。日本語で「シャ」「ショ」のように発音する感覚の音が /ʃ/ に近いといえるでしょう。

/ʒ/ の発音の特徴

/ʒ/ は「有声音」に該当する発音です。有声音は「喉の振動を用いて発声される音」です。音は喉から出します。有声音を出す際には喉が少し震えます。

有声音は日本語でいえば「ジャ」や「ジュ」に該当する種類の音といえるでしょう。

/ʃən/ と /ʒən/ の発音の仕方

/ʃən/ と /ʒən/ を発音する際の口の形は共通です。まずは、唇を丸くして外側へ広げます。口角を中央に寄せて、朝顔のように外に向かって開くよう意識します。

舌は口内の上部付近へ位置させますが、何にも触れないようにします。/ʃə/ もしくは /ʒə/ と発音しながら、舌先を喉の奥部へ素早く戻します。

最後の /n/ の発音をする際は、喉の奥部付近へ戻った舌先を戻します。舌先を上の前歯裏に添えるようにつけます。

英語の接尾辞にはアクセントがほとんど置かれません。接尾辞「-sion」は、短く弱めに発音されると心得ておくとよいでしょう。

-sion を /ʃən/ と発音する英単語の例

/ʃən/ と発音される -sion を含む英単語は /ʒən/ の例に比べると少なめです。

/ʃ/ は濁らないで発音されること、/ʃən/ は短く弱めに発音されることを意識しましょう。

  • discussion(/dɪˈskʌʃ.ən/)
  • apprehension(/ˌæp.rəˈhen.ʃən/)
  • compulsion(/kəmˈpʌl.ʃən/)
  • extension(/ɪkˈsten.ʃən/)
  • expression(/ɪkˈspreʃ.ən/)

-sion を /ʒən/ と発音する英単語の例

-sion は /ʒən/ と発音される例の方が多数派です。

基本的に、アクセントが /ʒən/ の部分に置かれることはありません。やはり短く弱く発声されます。

  • decision(/dɪˈsɪʒ.ən/)
  • occasion(/əˈkeɪ.ʒən/)
  • television(/ˈtel.ə.vɪʒ.ən/ )
  • version(/ˈvɝː.ʒən/)
  • excursion(/ɪkˈskɝː.ʃən/)

英語の接尾辞「-tion」の発音は「-sion」 と同じ

-sion と同じく動詞を抽象名詞化する語である接尾辞 -tion は、-sion を /ʃən/ と清音で発音する要領を踏襲できます。

英語の接尾辞「-tion」を含む英単語の例

「動詞を抽象名詞化する接尾辞」という括りでいえば、 -tion を用いた英単語は-sion(/ʃən/)や -sion (/ʒən/) よりも圧倒的に多数派です。

  • action(/ˈæk.ʃən/)
  • nation(/ˈneɪ.ʃən/)
  • relation(/rɪˈleɪ.ʃən/)
  • position(/pəˈzɪʃ.ən/)
  • solution(/səˈluː.ʃən/)

発音上は -tion と -sion (/ʃən/)を一緒に扱い、例外的な発音の例として -sion (/ʒən/)になる例を把握する、という流れで学んでもよいかもしれません。