海外留学せずに国内で英語スピーキング力を高めるオススメ学習法

私は、普通に大学受験のための英語を勉強し、特別な留学経験もなく、大学に入る以前はパスポートすら持っていませんでした。英語は読めるしある程度聞けるけれど、喋れない、いわゆる「普通の日本人」です。

しかし、今では国際交流パーティーでネイティブと普通にコミュニケーションを取り、英語で授業を受け、1か月ほどのオーストラリア滞在では、1人でも何不自由なく生活できる英語レベルです。

もちろん、まだまだ自分の英語力は未熟であり、改善の余地しかありませんが、それでも普通の日本人よりは圧倒的に英語が話せると自負しています。

大半の日本人と同じように、特別な海外経験がない私が行った英会話練習方法を紹介します。

(1)英文法の学習も単語学習も「英会話を意識して行う」ことが大切

英会話には文法的な基礎知識や単語の知識、そして日本語発音(カタカナ発音)の矯正が必要不可欠です。カタカナ英語はびっくりするくらい通じません。日本にいる外国人に通じても、日本人のカタカナ英語に慣れているだけという可能性もあります。そして知らない単語は聞き取れませんし、もちろん話すこともできません。文法は、しっかりと勉強しなければブロークンイングリッシュになり、相手に余計なストレスを与えます。特に単語学習と文法学習は敬遠されがちですが、避けては通れません。

では、文法や単語を勉強すれば英語は喋れるかといえば、それだけでは足りません。多くの人が中学や高校で英単語や英文法を勉強するのに話すことができないように、ただ文法学習や単語学習をするだけでは、話せるようにはなりません。

そこで、英会話を意識して文法や単語を勉強することが大事です。

例えば、仮定法過去を学ぶ際には、「If S 過去, S would V」と理解して終わりにするのではなく、実際に作文して声に出します。If I had money, I could buy a new computer.のように、何でもいいのでとにかく話しながら、文法のもつ感覚を頭に刷り込みます。

単語も同様です。descrimination(差別)という単語を学んだら、自分が差別についてどう思うかを英語で話してみるのです。すると、その単語はより英会話で使えるものとなります。

英会話の上達は、いかに文法的単語的な下地があるかにかかっています。その意味では、受験英語を真面目に頑張ってきたけど英会話は苦手だ、という人にとっては大きなアドバンテージがあります。

ちなみに、英文法を勉強する際は、参考書を買う他にも、weblioをはじめとして無料で文法や熟語の知識を提供しているサイトがいくつもあるので、是非参考にしてください。

(2)「英語で独り言をつぶやく」習慣はスピーキング練習に効果あり!

個人的には、独り言は一番効果があった方法です。その名の通り、英語で独り言を言うだけです。内容は何でも構いません。例えば、今日の晩ご飯の中身であったり、自分の興味のあることであったり、明日の予定であったりです。

このトレーニングのいいところは、時間と場所を選ばずにできるところです。机に座らずとも、参考書を開かずともできます。また、ネイティブに英語を話すことに抵抗がある、恥ずかしいという人にとってもお勧めできます。独り言なら誰にも聞かれることなく存分に英会話を練習できます。

ただし、1つ注意しなければならない点は、ある程度の文法力がなければ、自分の文法的間違いに気づかないという点です。ネイティブとの英会話ならば、相手から間違いを指摘してもらうことができますが、独り言だと修正できるのは自分だけです。その意味で、ある程度文法的な基礎が出来上がってから行うとよいでしょう。

(3)スマホの音声認識で発音チェック&発音矯正

スマートフォンに搭載されている音声アシスタント機能(iPhoneなら「Siri」)を発音の診断、矯正に活用する方法もあります。Siriの設定言語を英語にして、自分の英語をいかに正確に聞き取っているかを確認することで、自分の発音の苦手な箇所が明らかになります。

音声アシスタント機能はiPhoneにもAndroid端末にも搭載されています。すでにスマホお持ちの方なら、いつでも無料で呼び出せます。新規にソフトを入手する必要もありません。相手は機械ですので「恥ずかしい」と感じることもありません。

Siriに英語で話しかけて、ちゃんと英語として判定されれば、自分の発音がネイティブに通じる正しい発音でスピーキングできている、という目安になります。意図した通りの英文として聞き取られなかった場合、もっとレベルを上げるための練習が必要と判断できます。自分の英語のレベルを具体的に診断してもらうことはできくても、擬似的なスピーキングテストとしては十分に役立ちます。ネイティブに発音チェックをしてもらうのは恥ずかしい、という人も気軽にできますし、何より無料です。

注意点は、Siriの発音の真似をするのではなく、あくまでSiriで自分の発音の弱点を見つけ、それを参考書やネイティブを活用して練習していくことです。

(4)瞬間英作文

瞬間英作文は、英会話トレーニングの初期段階で行うと効果が大きいと感じました。瞬間英作文というのは、日本語のセンテンスを瞬時に英語に直して発音するというものです。何度も練習することで、徐々にスピードが高まり言いたいことがすんなり言えるようになります。

瞬間英作文を行う際に注意することは、文法的に正しい英文を心がけることです。間違えた英文を喋っていてはブロークンイングリッシュになってしまうので、いかに正確に、素早く英文を組み立て喋るかを意識します。

加えて、瞬間英作文の目的は例文暗記、暗唱ではないので、あくまで自分の頭で考えて例文を作る練習として捉えましょう。瞬間英作文用のテキストもあるので興味のある方は探してみてください。

(5)オンライン英会話レッスンもオススメ

オンライン英会話レッスンは、英会話初心者にも上級者にもお勧めできます。最初に英会話レベルや発音レベルを診断できたりするので、自分のレベルを確認するのもよいでしょう。

効果が実感できるまでの期間は人それぞれとは思いますが、私の場合、およそ50時間(3000分)ほど続けたあたりから、大きな変化が実感できるようになりました。

オンライン英会話は、恥ずかしくてなかなか踏み出せないという人がいるのですが、気持ちはよくわかります。私も最初はレッスンの時間が近づくにつれ、パソコンの前でドキドキしていました。しかし、講師の先生も生徒は英語が喋れないことは承知の上ですし、何度も受けていれば恥ずかしさは感じなくなってきます。

オンライン英会話の効果的な使い方ですが、無計画になんとなく受けるのではなく、インプットした単語や文法を積極的に会話の中で使うことをお勧めします。例えば、仮定法を勉強したのなら、仮定法を実際に使ってみるとか、eat out(外食する)を勉強したのなら、外食をした話を自分から振ることで、オンライン英会話は良いアウトプットの場となります。レッスンの前に「今日使う単語」を決めておいて、レッスン後にいくつ使えたかチェックするのもよいでしょう。

大事なのは、受け身(講師ばかりが喋っている状態)にならず、積極的に学んだことを使っていくことです。インプットは自分でもできますが、ネイティブへのアウトプットは貴重な場なので、効率的に活用しましょう。